物価高が続く中、果物を買うのを躊躇する方も多いのではないでしょうか。
野菜や肉、魚、卵などとちがい、嗜好品的な色彩の強い果物の購入の優先順位はあまり高くないでしょう。
でも、もし自分の家で果物を栽培し、たくさんの収穫を得ることができたら、お財布をあまり気にせず果物のある暮らしが叶います。
いちごは、畑がなくてもプランターで育てることができるため、家庭菜園初心者にもおすすめの果物。
ベランダや小さな庭でも育てられ、春になるとかわいらしい白い花を咲かせて赤い実をつけてくれます。
今回は、初めていちごを育てる方に向けて、苗の選び方から植え付け、水やり、肥料、収穫まで、基本的な育て方をご紹介します。
いちごは「苗」から育てるのがおすすめ
いちごは種から育てることもできますが、家庭で楽しむなら苗から始めるのがおすすめです。
一般的には、秋に苗を植え付け、冬を越して春に収穫する栽培方法がよく行われます。
苗を選ぶときは、葉が元気で色が濃く、病気や害虫の被害がないものを選びましょう。
葉がしっかりしていて、株元がぐらついていない苗は、これからの成長も期待できます。
また、いちごにはさまざまな品種があります。
甘さや実の大きさ、育てやすさなど、それぞれ特徴が異なるので、家庭菜園向けの品種を選ぶとよいでしょう。
植え付けは秋がおすすめ
いちごの植え付けは、一般的に秋が適しています。
プランターで育てる場合は、いちご用の培養土や野菜用培養土など、水はけのよい土を用意しましょう。
いちごは根が広がるため、ある程度深さのあるプランターを選ぶのがおすすめです。
複数の苗を植える場合は、株同士の間隔もしっかり確保しましょう。
ここで大切なのが、苗を植える深さです。
いちごの株元には「クラウン」と呼ばれる成長点があります。
クラウンを土に埋めてしまうと生育に影響することがあるため、クラウンが土に埋まらないように植え付けます。
また、苗についている「ランナー」の向きにも注目してみましょう。
ランナーが出ていた側とは反対側に実がつきやすい傾向があるため、収穫したい方向を考えて植えると、実の位置をそろえやすくなります。
日当たりのよい場所で育てる
いちごは日光を好む植物です。
できるだけ日当たりがよく、風通しのよい場所で育てましょう。
ベランダなどでは、照明や建物の影によって、思ったより日照時間が短くなることがあります。
午前中から日が当たる場所など、できるだけ明るい環境を選んでください。
風通しが悪い場所では、病気が発生しやすくなることもあります。
葉が密集してきたら、古くなった葉を取り除くなどして、株の中まで風が通るようにするとよいでしょう。
水やりは「土の状態」を見て
いちごの水やりで大切なのは、毎日決まった量を与えることではなく、土の状態を確認することです。
土の表面が乾いていたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり与えます。
一方で、いつも土が湿っている状態は根を傷める原因になることがあります。
水やりの回数を固定するのではなく、季節や天候、土の乾き具合を見ながら調整しましょう。
特に冬は生育がゆるやかになるため、水の与えすぎには注意が必要です。
肥料は与えすぎない
大きくて甘いいちごを育てたいと思うと、つい肥料をたくさん与えたくなりますが、肥料の与えすぎは逆効果になることがあります。
基本的には、使用する培養土や肥料の説明に従い、適量を守りましょう。
いちご専用肥料や、果菜類に使える肥料なども販売されています。
初心者の方は、いちご向けに配合された肥料を利用すると管理しやすいでしょう。
花が咲いたら人工授粉
春になると、白い花が咲き始めます。
この小さな花が、やがて赤い実へと変わっていきます。
花が咲いたら、筆などを使って花の中心を軽くなでるように人工授粉するとよいでしょう。
特にベランダなど、虫が訪れにくい環境では、人工授粉が実つきを助けます。
すべての花に必ず実がつくわけではありませんが、花が少しずつ実へ変わっていく様子を観察するのも、いちご栽培の楽しみです。
ランナーはどうする?
いちごを育てていると、株から細長い茎のようなものが伸びてくることがあります。
これは「ランナー」と呼ばれるものです。
ランナーの先には新しい株ができるため、苗を増やしたい場合に利用できます。
ただし、実を育てている時期にランナーをそのまま伸ばしていると、栄養が分散することがあります。
まずは実の収穫を楽しみたい場合、不要なランナーは早めに取り除いて、株の成長に栄養を集中させます。
いちごを収穫するタイミング
いちごは、実全体が赤く色づいてきたら収穫のタイミングです。
十分に赤くなった実を、実を傷つけないようにそっと摘み取ります。
朝の涼しい時間帯に収穫すると、果実が比較的しまっていて扱いやすいでしょう。
自分で育てたいちごは、お店で購入するものとはまた違った嬉しさがあります。
少し形が不揃いでも、「ここまで育った」という感慨が、収穫したいちごをより味わい深いものにしてくれます。
いちごのある暮らしを楽しもう
いちご栽培の魅力は、収穫だけではありません。
秋に苗を植え、冬を越し、春に花が咲き、小さな実が少しずつ膨らんでいく。
その変化を毎日の暮らしの中で眺められることも、大きな楽しみです。
忙しい日々の中で、植物の成長に目を向ける時間は、ちょっとした気分転換にもなります。
最初から完璧に育てようとしなくても大丈夫。
葉の様子や土の乾き具合を観察しながら、その日の状態に合わせてお世話してみましょう。
赤く実ったいちごを自分の手で収穫する日を思い浮かべながら、まずはお気に入りの苗をひとつ選ぶところから始めてみてください。
