香りは、目に見えないけれど、わたしたちの心をやさしく包み込んでくれます。
朝、深呼吸した瞬間にふわりと香るお気に入りの香りは、それだけで1日を軽やかにしてくれる魔法のような存在です。
香水類の中でも賦香率が低く、軽やかな香り立ちなのがオーデコロン。リフレッシュしたいときやちょっと気分転換したいときに気軽に使える香りアイテムです。
今回は、天然の精油を使って「ナチュラルなオーデコロン」を手作りするレシピをご紹介します。
自然のエッセンスだけを使用した香りには、合成香料を使用した市販品とはまた違った趣があります。
また、植物の生命力が詰まった精油には心や身体に働きかける力があるとされ、心と身体のセルフケアにも使用できます。
そして何よりも、精油(エッセンシャルオイル)を使った手作りのオーデコロンは、自分の好みや気分、ライフスタイルに合わせて自由に好きな香りをつくることができるのが魅力的です。
そんな天然精油のオーデコロンをあなたも、自分のためだけに、自分の感性でつくってみませんか?
基本のオーデコロンのレシピ
精油で作るオーデコロンは、とてもシンプル。基本の材料は3つだけ。
【材料】(約30ml分)
- 無水エタノール …10ml
- 精油(合計10〜15滴ほど)
- 精製水 …20ml
- スプレーボトル(遮光タイプがおすすめ、アルコール対応のものを)
つくり方
- スプレーボトルに無水エタノールを入れ、精油を加えてよく混ぜます。
- 精製水を加え、さらによく振って混ぜます。
- 香りをなじませるため、数日〜1週間ほど寝かせるのがおすすめ。冷暗所で保管し、使用前に軽く振ってからスプレーします。
※つくったオーデコロンは、約1ヶ月を目安に使い切るようにしてください。
※使用する前にパッチテストを行ってください。特に敏感肌の方はご注意を。
香りのバランスを整える「トップ・ミドル・ベース」
香水の香りは時間とともに変化します。この香りのグラデーションを楽しむために、精油を「トップノート」「ミドルノート」「ベースノート」の3つの層に分けてブレンドします。
トップノート(香りの第一印象)
・レモン、ベルガモット、グレープフルーツ、ペパーミントなど
・爽やかで軽やかな香り。揮発が早いため最初に香ります。
ミドルノート(香りの中心)
・ラベンダー、ゼラニウム、ネロリ、ローズなど
・香水の「個性」を決める部分。香りの持続性もあります。
ベースノート(香りの土台)
・サンダルウッド、シダーウッド、ベチバー、パチュリなど
・深みや落ち着きを与え、香り全体の持続時間を延ばします。
シーン別・おすすめブレンドレシピ
気分やシーンに合わせて、いくつかのおすすめレシピをご紹介します。自分らしい香りのヒントになればうれしいです。
■ 朝の目覚めに:クリアで前向きな香り
- ベルガモット(4滴)
- ラベンダー(3滴)
- シダーウッド(2滴)
リフレッシュとリラックスのバランスがとれたブレンド。1日のスタートにぴったりです。
- ベルガモット (4滴)
- ラベンダー (3滴)
- ローズマリー (2滴)
- フランキンセンス (1滴)
柑橘の明るさとハーブの清涼感をあわせ持つ、まるで朝の光のような、神秘的で奥行きのある香りです。
■ 仕事モードに:集中力を高める香り
- グレープフルーツ(3滴)
- ローズマリー(4滴)
- フランキンセンス(2滴)
すっきりとした香りで、思考をクリアに。デスクワークの合間にも。
■ ナイトタイムに:心をほどく深い安らぎ
- マンダリン(3滴)
- ゼラニウム(3滴)
- サンダルウッド(3滴)
やさしく落ち着いた香りが、1日の終わりにふさわしいリラックス時間を演出します。
「自分の香り」がある心地よさ
自分で香りを選び、組み合わせ、実際に香りを調合するのは、とても創造的で贅沢なひとときです。
精油の香りには、私たちの感情や記憶にやさしく寄り添う力があります。季節の移り変わりや気分の変化に合わせて、香りも変えてみるのもおすすめです。
クローゼットの中に、リネンの間に、ハンカチに、そして肌に。
ナチュラルなオーデコロンをさりげなく使うことで、暮らしのなかに“わたしらしさ”を香らせる。
そんなシンプルだけど贅沢なオーデコロンの楽しみを、ぜひあなたの暮らしに取り入れてみてください。
ナチュラルな香りは、わたしたちの心にふわっと寄り添ってくれる“目に見えないジュエリー”のような存在です。
手づくりのオーデコロンは、あなたのライフスタイルをより繊細に、心地よく整えてくれることでしょう。
植物の力と、あなたの感性が織りなす香りの世界へ。
ぜひ、今日からあなたも「わたしだけの香り」を楽しんでみてくださいね。