誕生石の歴史
誕生石とは、各月に割り当てられた宝石で、自分が生まれた月の宝石を身に着けると幸せが訪れるといわれています。
誕生石の起源は定かではありませんが、いくつかある説のうち最も古いとされるものが、バビロニア帝国で用いられていた星座石です。これはバビロニアで誕生した占星術に基づくもので、占星術において定められた12の星座に宝石が割り当てられています。
今でもヨーロッパでは誕生石よりもこちらのほうがポピュラーだそうです。
また、旧約聖書や新約聖書にも12の宝石が登場します。一般的にはこれらが誕生石の起源とされています。
旧約聖書「出エジプト記」では、ユダヤの祭司が身につける胸当てに付けられる、12種類の宝石について記述されています。
第一列 ルビー トパーズ エメラルド
第二列 ざくろ石 サファイア ジャスパー
第三列 オパール めのう 紫水晶
第四列 藍玉 ラピス・ラズリ 碧玉
これらの並べたものを金で縁取りする。これらの宝石はイスラエルの子らの名を表して十二個あり、それぞれの宝石には、十二部族に従ってそれぞれの名が印章に彫るように彫りつけられている。旧約聖書『出エジプト記』28.17-21 新共同訳
いっぽう、新約聖書「ヨハネの黙示録」には、エルサレムの城壁の土台石が12種類の宝石で飾られていたという記述があります。
都の城壁の土台石は、あらゆる宝石で飾られていた。第一の土台石は碧玉、第二はサファイア、第三はめのう、第四はエメラルド、第五は赤縞めのう、第六は赤めのう、第七はかんらん石、第八は緑柱石、第九は黄玉、第十はひすい、第十一は青玉、第十二は紫水晶であった。
新約聖書『ヨハネの黙示録』21.19-20 新共同訳
このように誕生石の起源自体はかなり古いのですが、誕生石を身につける習慣が普及したのはけっこう遅く、18世紀になってからです。
これはポーランドに移住したユダヤ人によって始まったといわれています。
そして20世紀にはたくさんのユダヤ人がアメリカに渡り、アメリカにも誕生石が広まりました。
誕生石は、鉱物学者ジョージ・フレデリック・クンツによって整理され、1912年にアメリカの宝石商組合(現在のJewelers of America)によって正式に制定されました。
これは1952年に改定され、現在の誕生石の原型になりました。
日本でもこれをもとに全国宝石商協同組合(現在の全国宝石卸商協同組合)が誕生石を制定しています。(2021年に改訂)
誕生石の一覧と意味
1月 ガーネット 貞操 真実 友愛 忠実
2月 アメジスト 誠実 平和
クリソベリル・キャッツアイ 驚嘆
3月 アクアマリン 勇敢 聡明 沈着 幸福 富
サンゴ 長寿 幸福
ブラッドストーン 勇気
アイオライト アイデンティティー
4月 ダイアモンド 永遠の絆 変わらぬ愛 純潔
モルガナイト 愛情 優美 清純
5月 エメラルド 幸福 幸運 愛 精神の安定
ひすい 繁栄 長寿 幸福
6月 真珠 健康 長寿 富 無垢
ムーンストーン 健康 幸運 恋の予感
アレキサンドライト 高貴 秘めた思い 情熱
7月 ルビー 情熱 愛 勝利
スフェーン 純粋 永久不変 成功
8月 ペリドット 夫婦愛 幸福 和合 希望
サードオニキス 幸せな結婚 夫婦円満
スピネル 成功 情熱 挑戦
9月 サファイア 慈愛 誠実 徳望
クンツァイト 無償の愛 純粋 可憐
10月オパール 歓喜 幸運 希望 純真無垢
トルマリン 希望 無邪気 寛大 潔白 友情
11月トパーズ 成功 希望 友情
シトリン 繁栄 成功
12月トルコ石 成功 繁栄 健康
ラピスラズリ 真実 健康 幸運
ジルコン やすらぎ 平和
タンザナイト 高貴 希望 知性 冷静 神秘